2011年の東日本大震災を機に生まれ、各地に広まったプロジェクトFUKUSHIMA!の活動を象徴する「福島大風呂敷」の軌跡をまとめた書籍と、1年目のプロジェクトを追ったドキュメンタリー映画のDVDが完成しました。
書籍には、10m×10mサイズの大風呂敷85枚をポートレート撮影して収載。集まった1枚1枚の布が持つ背景、縫い合わせる作業をした多くの人々、広げられたさまざまな場所について、テキストと写真でこれまでとこれからをたどる一冊です。DVDは、プロジェクトが始動した2011年を、美術家・映像作家の藤井光が監督してドキュメンタリー映画として翌年にまとめた映像が収められています。
■■書籍 BOOK■■
福島大風呂敷 FUKUSHIMA O-FUROSHIKI
仕様:A4ワイド(303x234mm) / フルカラー 176ページ / 上製本 / 日・英
Specification: A4 wide(303x234mm) / full color 176 pages / deluxe edition / Japanese・English
ISBN:978-4-600-01415-5 C0036
CONTENTS:
はじめに 004
プロジェクトFUKUSHIMA!宣言文 006
大風呂敷ポートレート 013
福島大風呂敷一覧 INDEX
大風呂敷ポートレート(福島・愛知・猪苗代・多治見・札幌) 内藤雅子
大風呂敷ドキュメント 113
福島大風呂敷、制作日記2011 中﨑透
福島から広がる表現のかたちー大風呂敷サミット2017シンポジウム「大風呂敷はどこへ行く?」
大風呂敷マッピング2011-2020 アサノコウタ
札幌おおどおり大風呂敷工場おばちゃん物語 沼山寿美枝
福島大風呂敷工場のこと 大友良英
大風呂敷、その最初の二年 細馬宏通
プロジェクトFUKUSHIMA!クロニクル 147
詩の礫 和合亮一
Flags Across Borders 成田舞・松本弦人
ええじゃないか音頭
プロジェクトFUKUSHIMA!の盆踊り マヒトゥ・ザ・ピーポー
フェスティバルFUKUSHIMA!2019 納涼!盆踊り 岩根愛
遠藤ミチロウインタビュー by VOID Chicken
プロジェクト FUKUSHIMA! 主な活動記録デザイン Design:
REFLECTA, Inc. 田岡美紗子+岡﨑真理子 Misako Taoka+Mariko Okazaki編集チーム Editing team:
小池晶子 Akiko Koike
坂口千秋 Chiaki Sakaguchi
髙野久美子 Kumiko Takano
中﨑透 Tohru Nakazaki
沼田夕妃 Yuki Numata
山岸清之進 Seinoshin Yamagishi
和田陽子 Yoko Wada
■■DVD■■
ドキュメンタリー プロジェクトFUKUSHIMA!
Documentary Project FUKUSHIMA!
監督:藤井光 Film by Hikaru Fujii
音楽:大友良英 Music by Otomo Yoshihide
仕様:90分 日本語音声・英語字幕 90 minutes Region All / NTSC English Subtitle
2011年3月11日、東日本を襲った大震災と、それによって引き起こされた東京電力福島第一原子力発電所の事故によって、福島は地震と津波の被害に加え、放射能汚染という未曾有の事態に見舞われました。その福島出身/在住の音楽家と詩人が発起人となり、集まった福島県内外の有志によって立ち上げられたプロジェクトFUKUSHIMA!の、1年目の動きを追ったドキュメンタリーです。
出演アーティスト:遠藤ミチロウ 大友良英 和合亮一 坂本龍一 レイハラカミ 七尾旅人 ユザーン 渋さ知らズ ほか
【発行】プロジェクトFUKUSHIMA! Published by Project FUKUSHIMA!
【発行日】2024年3月11日 第1版第1刷発行 / Published in Japan on March 11, 2024
この書籍・DVDはクラウドファンディング「福島大風呂敷を本にしよう!」により制作されました。
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■■ 刊行によせて ■■
震災後、無数の活動が生まれ、閉じていきました。我々のプロジェクトが一時的なものとなるのか、この後も継続し発展していくものなのか、それはわかりません。事故から13年、原発事故という災害はまだ片付いた訳ではなく、人々の関係性を複雑化させた爪痕はそこかしこに残されています。災害で破壊された地域社会を再びつなぎ縫い合わせたいと人々が求め行動した記録の一端として、この本を記したいと思います。
ー 福島大風呂敷 FUKUSHIMA O-FUROSHIKI「はじめに」より
プロジェクトFUKUSHIMA! 代表/ディレクター 山岸清之進
■■ 応援メッセージ ■■
ぼくは2011年以前、福島にそれほど縁はなかった。
それが福島第一原発事故が起こり、大友良英さんから声がかかり、このフェスティバルFUKUSHIMAに参加するため、夏に四季の里に行ったのが、ほぼ初めてに近い僕の福島体験だ。いろいろな情景が今でもヴィヴィッドに浮かんでくる。
道の屋台で土地のお婆さんが桃を売っていて「おいしい甘い桃だよ〜。子供は食べちゃだめだよ〜」と 普通に言っていたのには、内心ゾクっとしながらそのお婆さんのあまりに屈託のない言いように笑ってしまった。
また駅前の植え込みの土の放射線量を測ったら、その頃ぼくが常に持参していた測定器では見たことのないような高い値だったのに驚き、しかもそのすぐ脇を子供や若い女性が歩き過ぎていく光景に青くなってしまったり。
そしてこのフェスティバルで憧れのドラマー、ピカと会えたのも思い出深い。
東京生まれ東京育ちの僕は、子供の頃から祭りや盆踊りというものには、ほとんど接したことがなかった。
それが福島では大友くんの楽団に混じり、盆踊り用に編曲された音楽を演奏しながら、人々が輪を描いて踊る光景を見る、とても楽しくもシュールな体験だった。 名前は知らない、あるいは思い出せないけれど、たくさんの思いのある人たちの一員になれた幸福感と悲しさは、 一生忘れられない。二度とこんなことが起きてはいけないと、強く思う。坂本龍一
(クラウドファンディング実施にあたり、寄せていただいたメッセージより転載)